
Google Cloud Next Tokyo ’25 参加レポート
レポート作成者: 小池
1. イベントの総括
今回のイベントは、Googleが掲げる新たな方針「AIエージェント元年」を広く知らせる重要なものでした。中心的なテーマは、AIが単なる「道具」から、複雑な業務を自ら考えて実行する「仕事のパートナー」へと大きく変化したことを伝える点にありました。
この大きな変化は、主に以下の2つの要素で進められています。
- Google Agent Spaceの発表
社内の様々な場所に保存されている情報をAIがまとめて活用するための「司令塔」となるサービスです。 - 高性能なAIモデルの提供
AIの頭脳となるモデルにも、速くて価格を抑えた「Gemini 2.5 Flash」や、高品質な画像・動画を作る「Imagen 3」「Veo 3」などが登場し、AIに任せられる仕事の幅が広がります。
2. 主な発表内容とイベントの様子
2.1. Google Agent Space:企業向けAIの中心となるサービス
今回、最も注目を集めた発表の一つが「 Google Agentspace 」です。これは、社内情報の検索、AIアシスタント、業務の自動化といった機能を一つにまとめたもので、企業向けAIの分野で中心的な役割を担おうとする重要なサービスです。
2.2. AIの進化を支える頭脳と土台
AIの頭脳となる「基盤モデル」も大きく進化し、それを動かすための土台(プラットフォーム)の重要性が示されました。メルカリ社の事例では、Vertex AIの画像検索技術を使い、出品作業を劇的に短縮したと紹介されるなど、その活用が広がっています。
2.3. 参加セッションの詳細
私たちが参加したセッションの中から、特に注目すべきものを2点報告します。
- ① D1-AIML-17: デモで体感!Google Agentspace による業務効率化
内容: Google Cloudの最新AI製品である「Google Agentspace」が、日々の業務をどのように効率化するのか、デモを交えて具体的に紹介されました。
所感・学び: 基調講演で発表された「 Agentspace 」の具体的な活用法を知ることができました。全社向けの内容となっており、経営層から現場まで、あらゆる立場の従業員の生産性向上に直結するサービスであることを再確認しました。 - ② D1-LL-01: Vertex AI Studio を使ってみる(ハンズオン)
内容: 「Vertex AI Studio」を使い、プログラミング知識なしで最新AI「Gemini」の画像分析やプロンプト設計を体験しました。
所感・学び: 直感的なマウス操作だけでAIの最新機能を試せるため、エンジニア以外でもAI活用のアイデアをその場で検証できます。AI導入のハードルを下げ、社内のアイデア創出を加速させる上で非常に有効なツールだと感じました。
2.4. 展示エリアの体験コーナーと注目技術
展示エリア(Expo)では、AIの能力を直感的に理解できる体験コーナーが多数ありました。AIをどう仕事に応用するかのヒントとして、非常に参考になりました。
- AIバスケットボールコーチ: カメラ映像だけで人の骨格を読み取り、リアルタイムでシュートフォームをAIが指導するデモです。
- Veo Studio: スケッチした簡単な絵を、AIが高品質な動画に仕上げるデモです。
- ブロックビルドゲーム: 作ったブロックの作品を、AIがその出来栄えや創造性を評価・採点してくれるゲームです。
- Geminiプロンプトチャレンジ: いかに的確な指示(プロンプト)をAIに出せるかを試すコーナーです。
2.5. パートナー企業の出展状況
会場には、我々と同じGoogle Cloudパートナーが多数出展しており、各社が協力してエコシステム(協力体制)を築いていることが分かりました。
大手コンサルティング・システム開発会社
- アクセンチュア、NTTデータ、デロイト トーマツ、日立製作所、NEC、SCSKなど。
通信キャリア
- ソフトバンク、KDDI、ドコモ・ビジネスなど。
特定技術の専門企業
- データ分析・AI: Databricks, ThoughtSpot, Glean, PLAID
- セキュリティ: CrowdStrike, Okta, HENNGE
- 開発ツール: Red Hat, GitLab, Fastly
- Google Workspace拡張: rakumo, Sateraito Office, 電通
3. まとめ
今回の「Google Cloud Next Tokyo ’25」は、Googleが提唱する「AIエージェント元年」の具体的な姿を多角的に示したイベントでした。
基調講演で示された大きなビジョンから、ハンズオンセッションでの具体的なツールの体験、そしてExpoでの応用事例に至るまで、AIが自律的に業務を遂行する「パートナー」へと進化していることが一貫して示されていました。
特に、プログラミング知識がなくともAIの能力を引き出せるツールの登場は、社内全体でAI活用のアイデアを創出する上で大きな可能性を秘めています。パートナー企業として、これらの最新動向と技術を深く理解し、顧客へどのような価値を提供できるかを検討していくことが、今後の事業成長の鍵となると再認識しました。
4. 所感
会場に足を踏み入れた瞬間の、あの熱気とスケール感は忘れられません。世界中から最先端の技術と人が集まっていて、テクノロジーのお祭りのようでした。
特に印象的だったのは、体験コーナーの「AIバスケットボールコーチ」です。自分のシュートフォームがリアルタイムで解析され、AIからアドバイスが飛んでくる様子は、まさに未来の光景でした。AIが専門家のように隣にいてくれる「パートナー」になる、というイベントのテーマを肌で感じることができました。
また、プログラミング不要でAIを試せた「Vertex AI Studio」のハンズオンセッションは、大きな発見でした。「これなら自分でもアイデアをすぐに試せる!」という手応えは、AIへの心理的なハードルを大きく下げてくれました。
一日を通して、未来の働き方を垣間見たような、不思議な高揚感がありました。これまで「AI」と聞くと、どこか遠い世界の、一部の専門家だけが使う難しい「道具」というイメージがありましたが、今回のイベントで体験したAIは、まさに隣にいてくれる「パートナー」そのものです。
この感覚は、実際に会場の熱気に触れ、自分の手でAIを動かしてみなければ、決して得られなかったと思います。この貴重な経験を、これからの仕事にしっかりと活かしていきたいです。
2025年08月06日